末っ子が色んなことに
気づいてゆく中で、
はじめて、父とふたりの兄と
みんなで話をしたかもしれない。
みんなで一緒にいられることが、
たぶん、はじめて?
(もちろん色々?と気づいてから?)
(だいたいいったい何をだ?)
末っ子が怒ることで集まったのだけれど、
末っ子の怒りのことは、まるで、なかったよう。
いつものように、みんなで話をしている。
(末っ子を除いてね)
もちろん、末っ子は、
今は怒ってはいないのだけれど、
まるで、なんにもなかったように、
父とふたりの兄が一緒に
楽しいそうに話をしているのを見ていると、
それが、なんだか
とっても幸せな光景のようだったみたい。
お互いを見つめているまなざしは、
とってもあたたかくて、
お互いを見つめている顔には、
ほほ笑みにあふれていて、
とっても楽しそうで、
親子というより、まるで、兄弟のようで。
子のように無防備に笑っている
父を見ていたら、
末っ子は、なんだか泣きそうになる。
こういう顔もするんだなぁとね。
ずっと見ていたいとなってしまったよう。
父とふたりの兄と末っ子の4人が集まっている。
末っ子は、4人集まって
どんな話をするんだろう?
そう思っていたら、
仕事の話をする。
父がみんなで集まらない?と言うので、
末っ子は、家族らしいことをするのかな?
と思っていたみたい。
末っ子は、ほんと、みんな仕事好きなんだなぁ
と思いつつも、
このことすらも、らしいと思ったら、
らしいかなって。
末っ子は、何も言わずに、
父とふたりの兄が話しているのを
ずっと見ている。
そうしていたら、父とふたりの兄が
大切そうにやさしいまなざしで、
末っ子を見つめては、
やさしい声で名前を呼んで、
明るい声で、色々と話をしてくれる。
末っ子は、今の父とふたりの兄の
声と笑顔を忘れたくなくなってしまっている。
大切に心の奥に入れておきたい。
大切な瞬間をしっかり持って帰りたい。
そう思ってしまっているようだった。
ふたりの兄を見つめて無邪気に笑っている父が
とっても愛おしいとも思ってしまっている。
末っ子は、
父とふたりの兄を見つめている
今この時が、ずっと続けばいいのに。
と、そう思ってしまったらしい。