末っ子は、父と同じ仕事をしている。
だから、色んな意味で、
父の仕事を見ることが多い。
父がまだ若い時のこと。
父の思いで、ズレがあったよう。
ある願いのもとがあって、
父はその願いのもとで、動いていたそう。
末っ子から見ると
確かにズレがある。
ある願いのもとは、
種のままだったけれど、
父の思いのもとで、
種は、種ではなくなっているようだった。
末っ子は、父と同じ仕事をしているから、
どうしても見えてしまう時があるみたいで。
けれど、父の思いで、ズレがあったと、
そう言ってしまうのは、
末っ子には、心がぎゅっと
しめられる感じがするみたい。
ある願いのもとで動いていた時の
父の思いは、
ただ、その時にあったすべてを、
守りたかったの、やさしい心なんだなぁと。
父のやさしい心を養分に
ある願いのことの種は、
父の思いのままに、
育ってしまったんだねぇとね。
父はとってもやさしい。
誰でもやさしくなれるものでもないから、
たぶん生まれつきなのだけれど。
末っ子は、ある願いのもとで
生まれてしまっている、ズレを見ている。
同じ仕事をしていると、
こういう時があるんだなぁと
末っ子は思ってしまっている。
やさしい父のことだからねぇとね。
末っ子は、ただ、父の思いのことを、
受け止めようとしているよう。
末っ子だけは、父の思いのカタチを、
なでなでしたいとね。
そしたら、
父は、やさしい笑顔で、
また、先を進めようと
してくれると思うからとね。
末っ子は、
父の思いがむくわれますようにと、
こうして、末っ子の願いを
放ってみるのでした。